特集・ウィキリークス

撮影機材を武器と誤認か

 AFP通信によると2007年7月、イラクの首都バグダッドでロイター通信のカメラマンら2人が米軍のヘリコプターに攻撃され死亡した事件で、内部告発情報を集めるウェブサイト「ウィキリークス」は2010年4月6日までに、米軍ヘリ「アパッチ」から撮影したとみられる映像を掲載した。音声付きで、アパッチの乗員らはカメラマンの撮影機材を武器と誤認しているとみられ、攻撃許可を要請。上空からカメラマンらの遺体を見て歓声を上げている。

 映像は、米軍内部の複数の告発者から提供されたものという。米軍は映像の真偽は確認しないものの「07年以来、ビデオに写っていることはすべて認めてきた。攻撃現場に(死亡した)ロイターの2人がいた」と述べている。

 この映像流出に絡み、米国防総省は機密漏えいに関与したとして、米陸軍情報分析官を逮捕した。容疑者は逮捕当時、バグダッドの駐留米軍部隊に所属していた。

 米メディアによると、攻撃で12人が死亡。ロイター通信によると、うち2人がカメラマンと助手だった。米軍の内部調査の結果、カメラマンらが武装グループの中に紛れ込んでおり、攻撃判断に問題はなかったとしている。カメラマンの撮影機材を武器と誤認したとみられている。ロイター通信は映像流出後、改めて調査を要求したが、米軍は再調査する考えはないとしている。

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