【香港時事】中国高官が2009年6月、同国の対北朝鮮政策について、核兵器の不拡散という約束を北朝鮮に守らせて朝鮮半島の安定を保ち、金正日労働党総書記を「怒らせないようにする」のが目的だと発言していたことが、内部告発サイト「ウィキリークス」で公開された米外交公電から明らかになった。2010年12月1日付の香港紙・明報などが伝えた。
中国政府は「朝鮮半島の非核化」を目指すとしているが、実際には北朝鮮の核保有を容認、同国の現体制維持を最優先に考えていることになる。
公電によると、当時駐カザフスタン大使だった程国平氏(現外務次官補)がアスタナで米国のホーグランド駐カザフ大使と食事をした際、中国のこうした方針を説明した。
また、別の公電によれば、これまでに多くの中国指導者と会っているシンガポールのリー・クアンユー顧問相(元首相)も昨年5月、スタインバーグ米国務副長官との会談で、北朝鮮の現体制が崩壊するよりは核兵器を持ったまま存続した方が良いと中国政府は考えているとの見方を示した。
リー氏の見解では、中国は「緩衝地帯」としての北朝鮮を失い、在韓米軍と直接対峙(たいじ)する事態を避けたいと考えているという。
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