無人機プレデター&リーパー

活況見せる無人機市場

 無人機の軍事的能力は対テロ戦だけでなく、地域紛争や治安維持活動でも十分に通用する。有人機に比べれば価格も安く、大国でなくても簡単に入手できるのも特徴だ。既に世界で40カ国程度が何らかの形で利用を始めているとされ、武器の見本市や航空機展示会では無人機が目玉商品になっている。
 国際的な戦闘機市場の10~15%は無人機によって占められ、向こう5年間で需要はさらに倍増するとの見方もあるほどだ。そもそもがラジコン飛行機であるだけに、必要な技術のほとんどは商業ベースで容易に調達が可能な上、さほど高度な技術は必要なく、中小企業でも参入できる点もマーケットの活性化に寄与している。
 ただ、入手が容易だということは、テロ組織なども簡単に利用できることになる。2005年にはレバノンのイスラム教シーア派武装組織「ヒズボラ」が偵察型無人機を飛ばし、イスラエルを仰天させた。無人機はローテクなほど対処が困難という特徴があり、バッテリー駆動の小型無人機ならば熱線追尾式のミサイルで狙いをつけられず、低速なのでジェット戦闘機で追いかけることもできない。こうしたローテク無人機が化学兵器の輸送プラットフォームとして利用されるなど、新たなテロの手段になることが懸念されている。

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