無人機プレデター&リーパー

価格はF22の77~20分の1

 米軍の無人機による攻撃が拡大している背景には、無人機攻撃を対テロ戦での中心に位置付けているオバマ政権の戦略がある。無人機攻撃は生身の兵士を直接の危険にさらさずに済むというメリットもあるが、何よりもコストパフォーマンに優れている。
 米空軍が保有する最新型のMQ-9「リーパー」の機体価格は1機1700万ドル、主力のMQ-1「プレデター」は450万ドル。ステルス戦闘機F22の1機分の金額(およそ3億5000万ドル)で、「リーパー」は20機、「プレデター」なら77機が買える計算になる。「リーパー」の場合、戦闘行動半径はF16戦闘機の6倍とされ、パイロットの疲労を考える必要はないので、燃料の続く限り数十時間の飛行ができる。
 2010年2月に米国防総省が公表した4年ごとの国防計画見直し(QDR)では、攻撃能力を持つ空軍の「リーパー」と「プレデター」を現行の常時35機飛行体制から11会計年度には50機、15会計年度は65機まで増強することを打ち出した。また、長距離爆撃タイプの無人機開発も視野に入れるなど、米国は無人機を航空戦力の柱のひとつと考え始めている。

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