無人機プレデター&リーパー

忍び寄る死神

 米国がアフガニスタンやイラクで繰り広げる「テロとの戦い」は、近代装備の正規軍と一般市民にまぎれたテロ組織のゲリラが争う新しいタイプの戦争だ。ゲリラ側が自爆攻撃や仕掛け爆弾(IED)で米国側に大きな損害を与える一方、米国は無人機による攻撃でテロ組織の幹部を個別に殺害する方法で対抗している。無人機は高性能のラジコン飛行機で、当初はテレビカメラやレーダーによる情報収集が主な任務だった。ところが、ミサイルや爆弾を搭載できるタイプが開発されたことにより、遠隔操作型の殺りくマシーンに生まれ変わった。
 操縦や攻撃指令は米国本土の基地から行われ、生身の兵士を敵地に送ることなく、敵の背後から忍び寄って攻撃することができる。米国のオバマ政権は無人機攻撃を対テロ戦の切り札と位置付け、アフガン、イラクの戦場はもちろん、パキスタンなどにあるテロ組織の拠点にも空軍の無人機を送り込んでいる。
 主力のMQ-1「プレデター」(『捕食者』の意)、最新型のMQ-9「リーパー」(『死神』の意)はいずれも誘導ミサイルや爆弾を搭載し、高性能レーダー、赤外線カメラといったセンサーを駆使して目標を追尾する。プロペラ推進のため飛行音がほとんどせず、ターゲットは攻撃されるまでその存在に気付かないと言われている。

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