特集 米アカデミー賞

作品解説「アバター」

ジェームズ・キャメロン監督のSF大作「アバター」を観ると、トーキー、カラーと進化してきた映画が、3Dという新次元の表現力を得たと実感させられた。最多9部門でノミネートされたものの「ハート・ロッカー」に敗れ、視覚効果や撮影など3冠にとどまった。アカデミー賞では重厚なドラマが好まれる傾向が強く、SF映画は伝統的に不利だ。

 惑星パンドラに眠る資源強奪を狙う地球人が、惑星先住民の遺伝子を組み合わせた分身(アバター)を作り、戦争を繰り広げる。宇宙戦争を軸に、ポカホンタス(人種の壁を越えて白人と結婚した米先住民女性)物語を想起させるロマンスが巧みに織り込まれる。

 アバターは、3D技術を駆使した迫力ある立体映像が話題を呼び、大ヒット。キャメロン監督は自身の大作「タイタニック」(1997年)が長年守り続けてきた世界歴代興行収入1位の記録を自らの新作アバターで塗り替えた。

 日本でも公開され、大ヒットしている。

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