J・F・ケネディ米大統領(1917~63年)は悲劇的最期を遂げたこともあり、神格化され、米国民に絶大な人気を誇る。ただ人気の点で、夫人も負けていない。ジャクリーン・ケネディ・オナシスさん(29~94年)の華麗なる人生は今も伝説として語り継がれている。
31歳で大統領夫人となり、洗練されたファッションセンスと知性で世界中に「ジャッキー・ブーム」を巻き起こした。米国に対抗心を燃やすフランス人でさえ、流ちょうな仏語で芸術への思いを語る夫人のとりこになってしまったほどだ。社交・文化行事に力を入れ、ホワイトハウスを一大文化拠点に変えた。
大統領就任から約1000日後に夫が暗殺され、夫人は「悲劇のヒロイン」となる。伝説はここで終わらない。68年には、世界指折りの大富豪、ギリシアの海運王オナシス氏と結婚。粗野な実業家に魂を売った、と人々の不評を買った。大統領夫人時代には派手な浪費ぶりが批判を浴びたが、女優マリリン・モンローらと浮気を繰り返す夫への不満をそうした形で解消していたのかもしれない。
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