政府は航空自衛隊のFX(次期主力戦闘機)に、米国ロッキード・マーチン社のF35ライトニングII戦闘機を選定した。航空自衛隊は当初、米空軍の最新鋭戦闘機F22の導入を目指していたが、米国側が軍事機密の流出などを理由に挙げ、輸出に難色を示していた。オバマ政権の誕生でF22の生産自体がストップすることになり、FXとして航空自衛隊が採用できる可能性はなくなった。このため、F22と同様に、レーダーに捕捉されにくいステルス性能を持つF35戦闘機のうち、米空軍と同じF35Aが採用されることになった。
F35は米国を中心に英国、カナダ、イタリア、オランダ、トルコなども参加して共同開発が進められている次世代型戦闘機で、要撃任務だけでなく、対地攻撃や偵察、電子攻撃など多彩なミッションに対応が可能とされている。FX選定でライバルとなったのは、同じ米国製のFA18スーパーホーネットの改良型、英独伊スペインの共同開発によるユーロファイター・タイフーンなどだが、特に中国が開発中のステルス能力を持つ第5世代戦闘機に対抗するには、F35クラスの性能が必要だとの判断に落ち着いた。
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