ドキュメント鳩山内閣

オバマ大統領が初来日

 鳩山由紀夫首相は2009年11月13日夜、初来日のオバマ米大統領と首相官邸で会談した。両首脳は、日米安保条約改定50周年を来年に控え、「重層的な日米同盟」の深化で一致し、地球温暖化対策や「核のない世界」実現に向けた協力も確認する。懸案の米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題についても協議するが、結論は先送りとなる見通しだ。大統領は同日午後、専用機で羽田空港に到着した。
 会談の冒頭、首相は「お目にかかれて光栄だ。アジアの最初の訪問国として日本を選んで、来てくださってありがとうございます」と表明。また、米軍基地で起きた乱射事件について「多くの死傷者があったことを心からお悔やみ申し上げる」と述べた。会談には岡田克也外相、北沢俊美防衛相、平野博文官房長官らが同席した。
 会談で首相は、日米同盟を外交の基軸とする立場を改めて説明。その上で、米側が重視するアフガニスタン復興に貢献するため、5年間で50億ドル(約4500億円)規模の支援策をまとめたことを伝える。地球温暖化対策として両首脳は、温室効果ガスについて「2050年までに80%削減を目指す」との長期目標で合意する。
 一方、普天間移設問題で、米側は06年の合意に沿った早期決着を繰り返し求めているのに対し、首相は「沖縄県民の総意を見極めたい」と、時間をかけて結論を出す姿勢を崩していない。このため、会談では突っ込んだ議論はせず、閣僚級の作業部会で調整を進めることを確認するにとどまるとみられる。このほか会談では、北朝鮮をめぐる問題や世界経済も議題となりそうだ。(2009年11月13日配信)

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