近代オリンピックとその時代

第1回大会は「女人禁制」

第1回アテネ大会(1896年)

 1896年4月6日、第1回オリンピック大会は、新しくなったアテネのパンアテナイ競技場に5万人の大観衆を集めて開会式が行われた。記念すべき第1回大会に参加したのは14カ国。陸上、水泳、体操、レスリング、フェンシング、射撃、自転車、テニスの8競技43種目を行った。参加選手は280人ですべて男性。古代オリンピックと同じように「女人禁制」の大会だった。
 近代オリンピックの創設者であるピエール・ド・クーベルタン男爵は、女性のスポーツ参加については消極的だった。
 女性がオリンピックに初めて出場したのは第2回パリ大会。しかし、1066人の競技者中、わずか12人にすぎなかった。

 【その時世界は】
 20世紀の幕開けを直前に控えた当時の世界は帝国主義が支配し、列強の策謀が渦巻いていた。日本は前年、朝鮮半島の権益をめぐり清国との間で戦火を交え(日清戦争)、清朝に対し、朝鮮の独立を認めさせるとともに台湾などを日本に譲渡させた。日本が列強の1つとして国際社会の中で台頭してきたころである。
〔主要参考資料〕近代オリンピック100年の歩み(ベースボールマガジン社)、最新スポーツ大事典(大修館書店)、オリンピックの事典(三省堂)、国際オリンピック委員会の百年(IOC)、日録20世紀(講談社)、JOCホームページ

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