2008年8月、北京五輪の陸上100メートル決勝で9秒69の世界新記録を出して金メダルを獲得、史上初めて9秒6台の快挙を成し遂げた。男子200メートル決勝でも19秒30の驚異的な世界新記録で2冠を達成した。
翌年8月の世界陸上ベルリン大会は、100メートルで9秒58、200メートルでも19秒19で優勝。両種目とも、自身の世界記録を0秒11も更新し、北京五輪に続いてスプリントの常識を覆した。
しかし、ビクトリーロードを突っ走っていたボルトにも落とし穴があった。10年から採用された「フライング1回で即失格」という厳格なルールだ。11年世界選手権100メートル決勝、ボルトはこの失敗を犯し、まさかの失格で連覇を逸してしまった。200メートルで19秒40の好レコードで優勝したものの、今後に課題を残した。
12年ロンドン五輪では限界説もささやかれたが、不安を一蹴。100メートルで9秒63の五輪新記録をマークして優勝した。同種目でカール・ルイス(米国)以来の五輪連覇を達成した。さらに、200メートルと400メートルリレーでも優勝し、史上初めて2大会続けて短距離種目3冠に輝いた。
ボルトという名字から「稲妻」「サンダーボルト」などの愛称がある。長身を生かしたストライド走法だが、ピッチも速い。100、200だけでなく、400メートルの世界記録も見据える万能型スプリンター。弓を射るポーズで会場を沸かせるお茶目な一面もある。好物はチキンナゲット。196センチ、93キロ。(2012/08/13、世界記録は当時のもの)
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