F14の最大の特徴は、飛行中の後退角を20°から68°まで変えられる可変翼。後退角を小さくすれば離発着時など低速時の安定性が高まり、空戦機動時にも小回りが利く。逆に後退角を大きくすれば、エンジンの大推力を生かし、マッハ2以上の高速を出すことができた。可変翼は可動部分が複雑で重くなるため、戦闘機への導入は難しかった。F14はチタニウム部材に電子ビーム溶接を施して可動部分の軽量化に成功したが、複雑な機構はデリケートで、整備も難しかった。空母艦載機は離艦時にはカタパルトで射出され、着艦時には甲板上のワイヤに機体のフックを引っ掛けて強制的に停止させるなど、過酷な扱いを強いられる。その分、F14の機体寿命は短く、高コストが米海軍を悩ませた。
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