軍用機ミュージアム

F14 フェニックス・キャリアー

 米海軍が艦隊防空専用の戦闘機を導入したのは、当時のソ連が米国の空母機動部隊に対抗しようと、長距離空対艦ミサイルの開発を熱心に進めていたからだ。米国は対艦ミサイルを搭載したソ連の大型爆撃機を撃墜するため、長射程の空対空ミサイルAIM-54「フェニックス」を完成させ、そのキャリアーとなる高性能戦闘機を必要としていた。F14は200㎞以上の探知距離を持つ強力なレーダーを搭載、最大6発のAIM-54をそれぞれ異なる目標に向けて発射する能力があった。また、敵爆撃機を護衛する戦闘機に備え、格闘戦にも高い能力を求められた。ただ、冷戦構造の崩壊で機動部隊がソ連の爆撃機に対抗する必然性がなくなった上、イージス・システムの普及により艦隊防空のあり方も大きく変化。出番のなくなったAIM-54は2004年に退役してしまった。

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ