制空戦闘機として無敵とされたF15も、軍事情勢の変化に合わせマルチロール型への改良が進められた。1989年に実働配備されたF15Eは、低高度対地攻撃能力を強化した戦闘爆撃機で、「ストライク・イーグル」という愛称で呼ばれている。外見は従来の複座型F15とあまり変わらないが、機体構造の約6割を再設計し、搭載兵器の多様化、機体重量の増加に合わせた降着装置の強化、全天候で対地攻撃を可能にするための新型レーダーの追加などが行われた。しかも、これらの改良を加えても制空戦闘能力が低下したわけではない。1990年には湾岸戦争で初の実戦に参加、マルチロールファイターとしての優秀さを証明した。
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