統合攻撃戦闘機の開発プロジェクトは1990年代から始まり、ボーイングとロッキード・マーチンの2社がそれぞれ実験機を作製、性能を比較した上で米国政府が採用を決定するという段取りで進んだ。ボーイングの実験機はX32、ロッキード・マーチンはX35と名付けられたが、戦術的な位置付けが異なるさまざまな軍用機をひとつのタイプで間に合わせようという計画だけに、要求仕様は非常に厳しいものとなった。短距離離陸垂直着陸型に必要なホバリング(空中静止)能力、海軍型で求められる低速時の操縦安定性、空軍型の軽快な機動性などを兼ね備えた機体の開発は至難の業だったが、結果的にロッキード・マーチンのX35が採用され、F35となった。
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