助走改善で飛躍の一投=21歳北口、東京五輪へ前進
木南記念陸上
鋭く飛び出したやりは日本記録を示すラインの先に突き刺さった。北口は目を見開き、両手で口を覆う。「頼むから64メートルに届いて」。祈るように見詰める中、記録は64メートル36。ぴょんぴょんと跳びはねて喜びを爆発させた。
直前の4投目で63メートル58の自己新をマーク。「助走で向かい風を感じたので、意識的に前に進もうと思った」。同じイメージの助走から会心の一投を放り、日本記録を一気に56センチ塗り替えた。「こんな記録を出せてびっくり」。東京五輪参加標準記録の64メートル00も突破し、夢舞台に前進した。
飛躍の要因は助走にある。歩数を2歩増やし、下半身の動きを改善してスピードが向上した。北海道・旭川東高3年だった2015年に世界ユースを制したホープ。日大進学後は右肘を痛めるなど苦しんだが、この冬は「自分で何かをつかもうという姿勢に変わった」。単身でチェコに渡り、世界記録を持つ同国のシュポタコバらからトップの技術を吸収した。
179センチの長身を誇る21歳が殻を破り、世界への扉を開いた。「65メートルを越えれば世界のメダルのテーブルに上がれる。記録を更新し続けて、世界一になるのが目標」。頬を真っ赤に染めながら、力強く夢を宣言した。(2019年05月06日)