堤、「地力」示した日本新
実業団陸上
堤が2投目に放った円盤は、大きな弧を描いていった。その数秒間、雄たけびを上げ続ける。フィールドの日本記録ラインが引かれた付近に落下すると、どよめきが起こった。程なく「60メートル74」の表示。この夏に日本記録保持者になった27歳が、1カ月余りで記録をさらに20センチ更新した。
投げた瞬間の感触が良かったわけではない。構えて体を回し始めた時、手の中で円盤がわずかに動いた。「やばいな、と思った。そういう時は大体、失敗するから」。それでも瞬時に修正。的確に腕を振り出せたという。
今夏、38年ぶりに「最古の日本記録」を塗り替えた。壁を越えたことで「今は地力が付いている。感覚も研ぎ澄まされてきた」と実感。来年のアジア大会制覇を、当面の大きな目標に掲げる。「でも、今の記録ではまだ3位に入れるかどうか」。日本新に浮かれず、さらなる精進を誓った。(2017年09月23日)