前橋育英が初優勝―全国高校野球 =延岡学園4―3で下す=
第95回全国高校野球選手権大会は最終日の22日、甲子園球場で決勝が行われ、初出場の前橋育英(群馬)が延岡学園(宮崎)を4―3で破り、初優勝した。初出場での優勝は1991年の大阪桐蔭(大阪)以来で、群馬県勢の全国制覇は99年の桐生第一以来。
試合は3―3の七回、4番の荒井海斗主将が適時打を放って勝ち越し、2年生のエース高橋光成投手が完投した。延岡学園は宮崎県勢初の甲子園優勝を逃した。
今大会は花巻東(岩手)と日大山形(山形)を含む優勝経験のない4校が準決勝に進み、24年ぶりに東北2校が4強入りした。選手の健康に配慮し、準々決勝翌日に初めて休養日が設けられた。
◇凡事徹底、家族で頂点―荒井監督
前橋育英の荒井直樹監督(49)が夏の甲子園初挑戦で頂点に立った。「ここまで来るとは正直思っていなかった。出来過ぎです」。柔らかい表情でほほ笑んだ。
日大藤沢(神奈川)では投手。卒業後は社会人のいすゞ自動車で13年間プレーを続けた後、日大藤沢の監督として母校に戻った。激戦区神奈川では甲子園出場の壁が厚い。1999年に前橋育英へ。2002年にコーチから監督へと昇格した。
守備重視の野球を目指してきた。「打つのは相手次第で偶然的なもの。守りと走塁は自分の意図通りにできる」。実戦的感覚を養うよう、シートノックよりも打撃練習での守りで向上を図った。
一からのチームづくりに挑み、家族とともに土地勘のない群馬へ移住。自宅は学校に近く、小さいころからネット裏で父の指導する姿を見てきたという次男の海斗(3年)が、今夏は主将で4番を務めた。妻の寿美世さんは寮母。家族とともに、勝ち取った栄冠だ。
選手と日々交わす野球ノートを指導の軸とし、「凡事徹底」が信条。「自分たちが積み重ねてきたことを甲子園で表現できた。それが何よりうれしい」。大会中に誕生日を迎えた監督が、信念を貫いた充実感を漂わせた。(写真は優勝を喜ぶ前橋育英ナイン)(2013年08月22日)