桐生9秒台ならず、10秒55―男子100
【バーミンガム(英国)時事】陸上のダイヤモンドリーグ(DL)第7戦は30日、英国のバーミンガムで行われ、男子100メートルに出場した17歳の桐生祥秀(京都・洛南高3年)は予選で10秒55(向かい風0.4メートル)の8着に終わって決勝に進めず、日本人初の9秒台はならなかった。
桐生は予選1組で、ネスタ・カーター(ジャマイカ)ら9秒台の自己ベストを持つ4人と同走したが、中盤から遅れ、2組と合わせた16人の中でも最下位だった。1組の1位はキム・コリンズ(セントクリストファー・ネビス)の10秒13。決勝はカーターが9秒99で制した。
桐生は4月の織田幹雄記念国際で日本歴代2位の10秒01をマークして注目され、国際陸連が主催する最高峰シリーズのDLから招待を受けたが、本来の実力を発揮できなかった。
スタート前に紹介されると、ユニホームの「洛南高校」の文字を誇らしげにかざした。「高校生で出場しているんだ、という感じを出した」という若き挑戦者。左手を胸に当ててひと呼吸入れ、静寂のスタート。号砲から何歩か駆けたときには「伸びていないな」と感じた。
ふてぶてしいほどの顔に、緊張の色はない。思い知らされたのは初速の差だった。「思った以上に前半に(置いて)いかれた」。国内ではほとんどなかった追い掛ける展開。筋骨隆々のスプリンターたちの背中を追いながら、太ももの裏にいつもと違う張りすら感じるほろ苦いレースだった。
英国遠征による時差、食べ物や環境への適応などは理由にしなかった。そんなことより、後半に伸びさえすれば夢の9秒台も遠くないと思っていた自分のレースが、全く通じなかった。将来の飛躍へ向け、約10秒の濃密な戦いで受けた衝撃を、しっかりとかみしめた。(桐生選手=中央)(2013年06月30日)