福井県鯖江市は9日までに、東京五輪・パラリンピックのホストタウンとして中国の体操男女代表の受け入れを断念する方針を決めた。新型コロナウイルスの影響で、選手らの訪問や市民との交流が困難と判断した。代替案として大会期間中にパブリックビューイングで中国代表を応援することなどを模索している。
市は2017年に中国のホストタウンに登録。これまでに市の体操ジュニア選手団が中国で強化合宿を行うなど事業を進めてきた。しかし、20年5月に予定されていた体操のアジア選手権に加え、市での事前合宿などが新型コロナの感染拡大で中止になった。
市と中国は同11月ごろから、選手の受け入れについて協議してきたが、コロナ禍での訪問や交流は困難との声が上がっていた。
市は、中国からレッサーパンダを寄贈されるなど40年以上前から交流を続けてきた。1995年には市で世界体操競技選手権が開催され、中国体操界と関わった。市の担当者は「中国とは今後も接触しない形でのやりとりや交流を続けていきたい」と話している。
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