
東京五輪・パラリンピックでモンゴルのホストタウンに登録されている静岡県焼津市は、市内の公園に移動式住居「ゲル」を展示し、同国出身の市職員が訪れた人々に文化を紹介した。同国への理解を深めてもらう目的。
ゲルは木製の骨組みに薄い布やフェルトをかぶせたモンゴルの伝統的な住居。大きさはさまざまで、居住人数に合わせてサイズを選ぶ。氷点下20度にもなるという冬にはゲルの中央に煙突を立て、ストーブに火を付けて内部を暖める。
大人2人で1時間ほどで組み立てられるといい、遊牧民が年に3~4回、生活拠点を移す際に解体し、トラックに載せて移動する。現在は観光客向けにゲルを使ったキャンプツアーが行われるなど、観光業でも活躍しているという。
他にも伝統衣装の「デール」や遊牧民の生活、風景、食事の写真などを展示。公園を訪れた子連れの家族らが見学した。モンゴルの文化に触れた女性は「知らないことをいっぱい聞けてよかった」と喜んだ。
〔年間平均気温16.5度と温暖な気候に恵まれた港町。焼津漁港は4年連続で水揚げ金額全国1位を誇り、マグロやカツオが有名〕