2020年の東京五輪・パラリンピックで、コロンビア車いすラグビーチームのホストタウンに決まった大阪府大東市は、市内に国内有数の義肢製造販売会社「川村義肢」があるなどパラスポーツとの縁が深い。市内の廃校を活用した複合施設「アクティブ・スクウェア・大東」は車いす競技の練習に対応できる仕様。施設はバリアフリーのトイレやスロープも完備しており、日本代表やクラブチームが練習で使用している。
川村義肢には国内外からパラスポーツや医療関係者の視察があり、小中学生への義足体験といった啓発活動も進めている。転倒すると床に傷が残るといった懸念から、車いす競技の練習に利用できる施設は国内にそれほど多くないのが現状。そんな中、パラスポーツへの理解が深い市の土壌をコロンビアも評価し、市側にホストタウンを打診した。
市は事前合宿受け入れに加え、パラ選手との交流や、子どもによる現地との動画のやりとりなどの企画にも取り組む。市戦略企画課の担当者は「パラリンピックを通じ、外国人も障がいのある人も住みやすくなる『心のバリアフリー』を積極的に進めていきたい」と語る。
川村義肢の担当者も「市のPRアンバサダーとして、さまざまな形で協力していきたい」と話している。
〔飯盛城を居城とした市ゆかりの戦国武将・三好長慶をアピール。織田信長に先駆けた天下人として評価が高まっている〕