
新潟県三条市で23日、世界柔道選手権の事前合宿に訪れていたコソボ共和国の柔道チームが、市柔道協会「三条柔道倶楽部」のメンバーらと交流した。乱取り稽古を行ったほか、コソボの選手が得意技を披露した。
市は今年2月、コソボ共和国五輪委員会とホストタウン事業に関する覚書を締結。同月に同国のホストタウンとして登録された。
合宿に参加したのは、2016年のリオデジャネイロ五輪の柔道女子52キロ級で金メダルを獲得したマイリンダ・ケルメンディ選手ら6人。市柔道協会などの小中学生らを中心に、互いに自由に技を掛け合う乱取り稽古を行った。コソボの選手が「大外刈」などそれぞれの得意技を披露すると、会場では拍手が起こった。
ケルメンディ選手と乱取り稽古をした佐藤ひかりさん(14)は「(選手は)動きが速く、力も強くて、技が掛けられなかった。(選手権や五輪で)頑張ってほしい」と話した。
国定勇人三条市長とレオン・マラゾーグ駐日コソボ大使も交流の様子を見学。市長は「心から歓迎申し上げたい。選手の皆さんと交わることができたことは、(交流したメンバーの)これからの柔道人生にとって重要な経験になると思う」と述べた。
交流後、選手らは1964年の東京五輪で提供されたというカレーを味わった。カレーは市内の中華料理店「華園」の店主が、64年の東京五輪のインド選手村で食事を作っていた料理人から学んだという。
「華園」店主の白倉広義さんは「(カレーを)五輪のアスリートに食べてもらうのが長年の夢だった。三条市でコックをしていてよかった」と喜んだ。選手は「スパイシーで、とてもおいしい」と笑顔を見せた。
〔金属加工産業が盛ん。忙しい鍛冶職人たちが好んだとされる「三条カレーラーメン」が有名〕