
山梨県などは、パリ・オペラ座バレエ団の最高位ダンサーらによるバレエ公演を8月11日に甲府市で行う。県や県内9市町村がフランスのホストタウンとなっている縁で実現した。地元の伝統工芸の織物で作られたバレエ衣装の着用や、県内の和楽器奏者との共演も予定している。
県や富士吉田市、西桂町などによる実行委員会が主催。事務局を務める県オリンピック・パラリンピック推進課によると、フランスの国立劇場オペラ座の専属バレエ団のダンサー156人のうち、「エトワール」と呼ばれる最高位ダンサーを含む8人が来県する。
公演では県内のバレエ教室の小学生による演舞や、地元の和楽器奏者の演奏に合わせた特別プログラムが催される。チケットは3000~10000円で事業費に充てられる。
衣装は、富士吉田市や西桂町の伝統工芸「郡内織物」を用いて製作。昨年7月にはオペラ座バレエ団の関係者らが同市を訪問して生地を選定した。完成した衣装は今年2月、パリで開催された日本博「ジャポニスム2018」で展示された。県の担当者は「伝統産業の振興に向け、公演後も衣装を活用していきたい」と話している。
〔富士吉田市は富士山麓の高原都市。コシのある麺が特徴の郷土料理「吉田のうどん」が有名。西桂町は山梨県東南部の郡内地域に含まれ、「甲斐絹」を使った独特の光沢のある「郡内織物」の産地として知られる〕