医学部情報
学部長メッセージ
北里大学医学部は大学設立8年後の1970年に誕生し、2020年には創立50周年を迎えました。この間送り出された5,000余名の卒業生は全国で活躍されています。医学部は開設時より拠り所としていた7つの基本理念を平成14年度より以下の4項目に集約し、教育・研究・診療の一層の充実を目指しております。
- 人間性豊かで、優れた医師の養成
- 学際領域を含む医学研究の推進
- 国際貢献の推進と地域医療への協力
- 予防医学の推進

北里大学医学部長
浅利 靖
北里大学医学部は大学設立8年後の1970年に誕生し、2020年には創立50周年を迎えました。この間送り出された5,000余名の卒業生は全国で活躍されています。医学部は開設時より拠り所としていた7つの基本理念を平成14年度より以下の4項目に集約し、教育・研究・診療の一層の充実を目指しております。
北里大学医学部長
浅利 靖
北里大学医学部は1970年、戦後初めて設置された医学部として誕生した。同大はこのほか、薬学部、看護学部、医療衛生学部、理学部、獣医学部、海洋生命科学部、未来工学部の8学部16学科で構成。全国でも珍しい生命科学の総合大学として注目されている。
同大医学部では「将来どういう医師になりたいかというビジョンをしっかり持ち、そのモチベーションを永く保ち続けられる学生に入学してほしい」と話している。
ペスト菌の発見などで有名な細菌学者で医師の北里柴三郎博士が創設した北里研究所がそのルーツであることは言うまでもない。さらに、世界中に北里大学の名声を高めたのが2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した同大特別栄誉教授の大村智博士だ。
受賞理由は「線虫感染症の新しい治療法の発見」。米国ドリュー大学名誉研究フェローのウィリアム・キャンベル博士との共同研究が評価された。その内容は、北里博士の実学の精神を具現化した研究成果といわれている。
大村博士は、都立の工業高校定時制の教諭を経て同大薬学部教授、社団法人北里研究所長などを歴任。東京都内の白金キャンパスで行われたノーベル賞受賞会見で、「失敗してもいいから、やってみようという気持ちを絶えず起こさなければいけない」と若い学生や研究者に訴え掛けた姿は、記憶に新しい。明るくユーモアあふれる人柄と一連の言動は、人類の難題である生命科学の分野をより身近に感じさせたに違いない。
さらに付け加えると、大村博士と北里大学との関係は学者としての研究だけにとどまらず、三つの附属病院の一つで埼玉県北本市にある現北里大学メディカルセンターを設立(1989年)するなど、経営面でも手腕を発揮してきた。
同大学の中心的な役割を担っている人物が世界最高峰の賞を受けたことは、学生たちの大きな励みになっている。
医学部では、総合大学の特長を生かしたチーム医療教育に重点を置いている。医療系の4学部に加え、系列の保健衛生専門学院と看護専門学校の学生が合同で「オール北里チーム医療教育プログラム」を履修する。専門職間の相互理解や「患者中心の医療」の在り方を実践的に学ぶためだ。
同大医学部では「将来どういう医師になりたいかというビジョンをしっかり持ち、そのモチベーションを永く保ち続けられる学生に入学してほしい」と話している。
それぞれの学生はまず、ステップ1として「チーム医療論」の講義を受け、医療の流れやチーム構成員の職能などの基礎知識を身に付ける。ステップ2は「チーム医療演習」で、1チーム10~11名、計100以上の組に分かれて医療に関するさまざまなテーマについて議論し、その結果を発表する。今春行われた演習には約1,200名の学生が参加した。
仕上げのステップ3は、いよいよ「チーム医療病院実習」となる。付属病院で1カ月間、臨床検査や治療方針を議論するカンファレンス、栄養サポート、ケアマネジャーなどの現場に参加する。
※画像をクリックすると拡大表示します。
北里大学では、学部間の交流が盛んなところが医学部単科の他大学とは異なる。そこをうまく活用し、チーム医療へとつなげている。
一方、古代中国医学を起源とする漢方医学の総合的な研究機関「北里大学東洋医学総合研究所」は、世界保健機関(WHO)の伝統医学協力センターに指定されており、実際に治療も行われている。
研究所では基礎と臨床が行われ、前者は漢方理論を応用した新しい医薬品関発、後者は漢方の処方と鍼灸(しんきゅう)などを精力的に展開している。もちろん、西洋医学的な診断が必要なケースでは、隣接する北里研究所病院と連携し、患者は幅広い治療を受診できるようになっている。
医学部を目指す受験生の中には、西洋医学と一緒に学ぶことができるこうした北里大学の幅広いカリキュラムに興味を持ち、第一志望の一角に位置付ける理由に挙げることも珍しくない。