図解
※記事などの内容は2020年7月1日掲載時のものです
1回に発生した雷の光が水平方向に伝わる最長距離と最長継続時間の世界記録を新たに認定したと、世界気象機関(WMO)が1日までに発表した。最長距離はブラジル南部で2018年10月31日に観測した709キロで、最長時間は昨年3月4日にアルゼンチン北部で観測した16.73秒。
いずれも米海洋大気局(NOAA)が運用する最新の静止気象衛星で観測された。従来の記録は地上観測網によるもので、最長距離が米オクラホマ州で07年6月20日に観測された321キロ、最長時間がフランスで12年8月30日に観測された7.74秒だった。
地上観測網では捉えられる雷の規模に限界があり、静止気象衛星で観測できるようになったことで、距離、時間とも2倍を超えた。今後も記録更新が期待される。
新記録の論文は、米アリゾナ州立大などの国際研究チームが米地球物理学連合(AGU)の専門誌に発表した。大規模な雷の観測は雷雲の発達や雷の発生メカニズムの解明のほか、落雷の防災にも役立つという。
南米大陸南部のラプラタ川流域は北米大陸中西部の大平原と並び、「メガフラッシュ」と呼ばれる大規模な雷が起きることで知られる。ブラジルの最長距離記録の雷は、最初の発生場所から北西と南東の両方向に約11秒かけて広がった。一方、アルゼンチンの最長時間記録の雷は東から西へ広がり、距離は473キロだった。
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