図解

【図解・社会】記録的な少雪の仕組み(2020年1月)

記録的な少雪の仕組み

続く暖冬、積もらぬ大雪=業者も困惑、「災害」と悲鳴も

※記事などの内容は2020年1月24日掲載時のものです

 記録的な暖冬の影響で、日本海側を中心に雪が少ない状態が続いている。気象庁の予報では、2月も降雪量は少ない見通しで、大雪に備えていた除雪業者からは「少雪災害だ」との声も漏れる。
 気象庁によると、高温と少雪が続く背景には、「偏西風の蛇行」と「北極振動」がある。日本付近で北にずれた偏西風は、大陸からの寒気の南下を抑制。北極付近に寒気が留まる現象も加わり、冬型の気圧配置が長続きしなかった。
 昨年11月1日から今月23日までの累積降雪量は、札幌市が162センチで平年比56%、新潟市は1センチで同1%と極端に少ない。太平洋側では名古屋市で初雪が観測されず、最も遅い観測だった1901年1月21日の記録を更新した。
 雪の少なさに困惑するのは、除雪を担う業者だ。札幌市では20日にまとまった雪が降ったが、幹線道路への除雪車の出動が例年の4分の1程度にとどまる地域もある。業者は「雪を運び出す作業を1回もしていない。こんなことは経験がない」と驚く。市は、過去の平均出動回数を下回った分の6割を「待機保証金」として業者に支払う方針だ。
 豪雪地である新潟県長岡市も今シーズンはほとんど雪が降っていない。除雪を請け負う会社を経営する近藤正明さん(41)は「降り過ぎれば災害だが、降らないことも災害。われわれにとっては大打撃」と嘆いた。同市は業者の窮状を踏まえ、これまでシーズン終了後に払っていた「除雪待機料」を一部前倒しして払うことを決定。新潟県も緊急金融支援を実施し、業者の資金繰りを手助けする。
 2018年に豪雪に見舞われた福井県。福井地方気象台によると、福井市は今年に入り積雪がなく、山沿いの大野市も例年に比べ積雪量は少ない。大野市で除雪作業を行う建設会社からは「雪を見越して普通の仕事を抑えており、仕事がない」と悲鳴が上がった。 

図解・社会

  • 事件・事故(消費者問題含む)
  • 警察・治安(交通・調査含む)
  • 情報・通信(調査含む)
  • 災害・気象(防災含む)
  • 裁判
  • 運輸・交通
  • 健康・医療・科学
  • 安全・危機管理(原発含む)
  • 教育・宇宙
  • 皇室
  • 環境・自然・文化
  • 軍・自衛隊
  • 調査・社会一般・その他
  • 企業不正・疑惑

新着

会員限定


ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ