図解
※記事などの内容は2019年8月30日掲載時のものです
今年の夏は九州で大雨災害が相次ぎ、北陸や東北で最高気温が40度を超える日があった。昨年の西日本豪雨や埼玉県熊谷市で史上最高気温41.1度を観測したほどの猛暑には及ばないが、大雨や熱中症による死者が続出した。気象庁の竹川元章予報官は「温暖化の影響で大雨災害が増えている。40度を超える日も珍しくなくなった」と話している。
気象庁は自治体に対し、大雨災害や熱中症の対策、農作物の新品種開発などを支援するため、降雨・降雪量や大雨の頻度、猛暑日(35度以上)の日数などの予測情報をきめ細かく提供する方針を固めた。2020年度予算の概算要求に関連経費5100万円を計上した。
九州では7月2日から3日に活発な梅雨前線により南部で大雨となり、同20日には台風5号による大雨で長崎県に特別警報が発表された。8月28日には前線による大雨で福岡、佐賀、長崎各県に特別警報が発表された。
7月上・中旬にはオホーツク海高気圧からの冷たい空気や梅雨前線により、東・西日本で低温多雨、日照不足となった。野菜の値上がり、夏物の衣料、飲料の販売不振などの影響が生じた。
しかし、7月下旬から8月中旬にかけては太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まり、上空のチベット高気圧も重なって、ほぼ全国的に猛暑となった。8月14日には台風10号によるフェーン現象の影響もあり、新潟県上越市で40.3度を観測。翌15日には同県胎内市で40.7度、山形県鶴岡市で40.4度、石川県志賀町で40.1度を観測した。
気象庁は5月時点では、太平洋赤道域東部の海面水温が平年を上回るエルニーニョ現象が続くと予想。太平洋高気圧の張り出しは弱く、気温はほぼ平年並みとみていたが、同現象は終息し、実際には猛暑となった。
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