図解
※記事などの内容は2018年8月10日掲載時のものです
気象庁は10日、西日本を中心とする豪雨と国内観測史上最高を更新した猛暑を対象に、異常気象分析検討会の臨時会合を開いた。会長の中村尚・東京大教授は会合後の記者会見で「異常気象の連鎖と捉えるべきだ」と指摘。地球温暖化に伴い、今後も顕著な豪雨や高温が繰り返されるとして、「備えがますます必要になる」と述べた。
検討会がまとめた見解によると、日本付近の上空を流れるジェット気流が大きな蛇行を繰り返したため、7月上旬は梅雨前線が西日本付近に停滞。南方から過去に例のない多量の水蒸気が流れ込み、11府県への大雨特別警報や2日・3日間雨量を中心とする記録の続出、災害につながった。
7月中旬以降は太平洋高気圧と上空のチベット高気圧が日本付近に張り出し続け、35度以上の猛暑日となる地点が平年より早く相次ぎ、埼玉県熊谷市で記録更新の41.1度を観測した。
中村教授は一連の現象について、「6月29日に関東甲信で(統計)史上最も早く梅雨明けし、その後北海道で大雨があった頃から始まった」と説明した。背景には、地球温暖化に伴う気温の上昇と水蒸気量の増加のほか、日本を含む北半球の中緯度域で今春から大気の循環が北へシフトし、高温が続いていたことがあるという。
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