図解
※記事などの内容は2018年7月29日掲載時のものです
台風12号は29日午前1時ごろに東海沖から三重県伊勢市付近に上陸し、近畿と中国地方を横断して午後5時半ごろに福岡県豊前市付近に再上陸した。強い勢力ではなくなったが、九州北部を経て30日朝までに西方沖へ抜けた後、沖合で31日までほぼ停滞する見込み。九州や四国で大雨が予想され、気象庁は土砂災害や河川の増水・氾濫、低地の浸水に警戒を呼び掛けている。
台風が東から上陸後、西へ進んだのは1951年の統計開始以来、初めて。12号が関東の南海上に北上した際、紀伊半島南方沖の上空に偏西風から分離した寒冷渦があったため、その周りを反時計回りに回って西日本に向かった。山陰沖の上空にはチベット高気圧が張り出して北上できず、そのまま九州西方沖へ進む見通しとなった。
奈良県では29日未明、曽爾村や宇陀市、桜井市、奈良市などで1時間雨量が100~120ミリ以上との記録的短時間大雨情報が相次いで発表された。土砂災害警戒情報が一時、奈良、三重両県に出された。西日本豪雨の被災地を中心に避難指示が出されたほか、多くの地域に避難勧告が発令された。
12号は30日午前0時、熊本県天草市付近を時速25キロで南西へ進んだ。中心気圧は994ヘクトパスカル、最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートル。半径220キロ以内が風速15メートル以上の強風域。
30日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、四国200ミリ、九州南部180ミリ、九州北部150ミリ。その後、31日午後6時までの同雨量は多い所で、四国と九州南部100~200ミリ、九州北部100~150ミリ。
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