図解
※記事などの内容は2018年7月13日掲載時のものです
西日本豪雨の影響で、被災地に生産拠点を構える自動車、電機メーカーなどは工場の操業停止に追い込まれた。発生から1週間がたち再開の動きが広がるが、物流の混乱で部品供給が滞るなど、完全復旧には至っていない。農産品への被害も深刻で、一部の野菜が値上がりし始めた。
マツダは本社工場(広島県府中町)と防府工場(山口県防府市)の操業を12日に再開した。ダイハツ工業(大阪府池田市)は本社工場(同)など近畿や九州の5工場が10日までに操業を再開したが、このうち滋賀県竜王町の1工場は部品不足のため13日夜の操業を見合わせた。
パナソニックは9日から業務用ビデオカメラなどを製造する岡山工場(岡山市)の操業停止が続く。17日の生産再開を目指し、浸水した電源設備の修理を急ぐ。明治は乳飲料などを生産する岡山工場(岡山県倉敷市)の水質検査が終わり、14日に再開する見通しだ。
西日本の広範囲で土砂崩れなどが発生し、高速道路や鉄道網が寸断。物流が正常化するめどは立っていない。JR貨物はJR西日本の山陽線などが不通となり、13日朝までに延べ680本が運休を余儀なくされた。復旧には少なくとも1カ月以上かかる見通しで、貨物便を利用する佐川急便は、東北や関東の一部などから九州へ送る荷物の受け付けを停止している。
農産物の品不足も起き始めた。農林水産省によると、大阪市中央卸売市場では野菜の一部品目が早くも値上がりし、ネギとピーマンは平年比3割、ホウレンソウは1割、それぞれ上昇した。
岡山県が有力産地のマスカットや白桃の価格に目立った変化はないというが、愛媛県のミカンなどは秋の収穫が危ぶまれる。小売店からは「広島県が産地のレモンなど、果実は今後どうなるか見通せない」(中堅スーパー)と警戒する声が上がっている。
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