図解
※記事などの内容は2018年7月13日掲載時のものです
気象庁は13日、西日本を中心とする5日から8日までの記録的な豪雨を解析した結果を発表した。東シナ海付近からの南西風と太平洋高気圧の縁に沿った南風が西日本で合流し、極めて多量の水蒸気が流れ込んだのが要因で、西・東日本に停滞する梅雨前線の活動が活発となった。
主に西日本に流れ込んだ水蒸気の量は、1958年以降の梅雨期では最大規模。その結果、7月上旬の全国の総降水量(比較可能な902観測点の合計)は、82年1月上旬以降、約10日間の旬ごとの統計で最多となった。
梅雨前線はオホーツク海高気圧と太平洋高気圧の間に挟まれて停滞していたが、台風7号から変わった温帯低気圧が5日に北海道付近へ進んだ際、オホーツク海高気圧から冷たい空気が南下したことも前線の活動を活発化させた。
広島県や岐阜県などでは、次々に発達して列を成した積乱雲による「線状降水帯」も形成され、局地的に大量の雨が降ったという。
気象庁予報課の担当者は「幾つかの要因が重なると広範囲に大量の雨が降る。今後も起きるとみられ、予測技術の向上や分かりやすい情報提供に努めたい」と話した。
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