図解
※記事などの内容は2017年7月5日掲載時のものです
活発な梅雨前線の影響で、九州北部では5日午後、局地的に猛烈な雨が降った。気象庁は午後5時51分に福岡県の朝倉市や久留米市など16市町村、同7時55分には大分県の大分市など15市町に大雨特別警報を発表した。福岡県の豊前市、上毛町、築上町については同11時48分に解除した。大雨特別警報は5日午前に島根県の4市町に出されており、この日は計3回となった。福岡、大分両県知事は自衛隊に災害派遣を要請した。
気象庁の梶原靖司予報課長は記者会見で「重大な災害が既に発生していてもおかしくない状況」と説明。土砂災害や河川の氾濫に最大級の警戒をし、直ちに安全を確保するよう呼び掛けた。夜間で見通しが悪くなるため、「避難の際は十分周りの状況を確認してほしい」と話した。大雨は5日夜も続き、特別警報の解除は6日明け方以降になるとの見方を示した。
福岡県久留米市は5日夜、市内全域の約13万世帯30万人以上、朝倉市も全域の約2万世帯5万人以上に避難指示を出した。福岡のほか、大分、佐賀、熊本各県の一部に土砂災害警戒情報が出された。
朝倉市によると、男性(70)が住宅の排水作業中に流され、行方不明になった。県警によると、久留米市では農作業中の夫婦が落雷で負傷したが命に別条はない。朝倉市などでは「子どもが流された」「崖崩れで2人が生き埋めになった」などの通報が相次ぎ、県警が確認を急いでいる。また県によると、朝倉県土整備事務所の職員3人がパトロール中に連絡が取れなくなった。
大分県日田市でも男性1人が行方不明との情報があり、消防などが捜索している。九州地方整備局によると、日田市のJR久大線日田-光岡駅間で花月川にかかる橋梁(きょうりょう)が流出した。
5日午後は対馬海峡から山口県付近に延びる梅雨前線に向かい、南から湿った空気が流れ込んだため、福岡県から大分県にかけて線状の降水帯が停滞した。気象庁は福岡、大分、佐賀各県で、1時間雨量が最大120ミリ超との記録的短時間大雨情報を相次いで発表した。
朝倉市では午後3時40分ごろまでの1時間に129.5ミリの猛烈な雨が降ったほか、同9時までの24時間雨量が513.0ミリに上り、いずれもこの地点の観測史上最多を記録した。
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