図解
※記事などの内容は2019年4月27日掲載時のものです
健常者を含めた駅ホームでの列車接触事故は近年減少傾向にある。2017年度は176件で、前年度比11件減。15年度から3年連続の減少で、鉄道各社の対策が一定の成果を挙げている可能性がある。
国土交通省によると、17年度にホームから転落しての接触事故は48件。ホーム上での接触事故は128件だった。合わせると人身障害事故全体の48%近くを占める。
ホームから転落した接触事故による死者は21人、ホーム上での接触事故死は9人の計30人。15年度、16年度はいずれも計28人でほぼ横ばいとなっている。10年度の死者は計42人だったため、長期的には減少傾向だが、近年は下げ止まりの状況と言えそうだ。
17年度に発生したホームでの接触事故や転落トラブルの件数は計3039件。このうち、1日平均乗降客数が10万人以上の駅での発生件数が45.2%を占めたことから、国交省は利用者の多い駅でのホームドア整備が効果的とみている。
18年3月末時点でホームドアが設置されているのは全国で725駅。うち首都圏に375駅、近畿圏101駅、中京圏65駅と大都市で整備が進む。
東京メトロ丸ノ内線では07年度に全線でホームドアの整備が完了し、08~17年度に転落事故は起きていないという。JR東日本は32年度末までに在来線主要路線の全駅を含む243駅でホームドアを設置する計画だ。
一方、地方では地下鉄でのホームドア整備が目立つ。18年3月末までに設置が完了した駅数が多いのは札幌市営地下鉄計46駅、福岡市地下鉄計35駅、仙台市地下鉄計29駅などとなっている。
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