図解
※記事などの内容は2017年3月29日掲載時のものです
国鉄民営化後の30年で、新幹線の開通などで都市間の所要時間は短縮されたが、郷愁を誘う寝台特急や海峡を渡る鉄道連絡船は廃止された。1987年と現在の変化を比べた。
◇北の大地、所要時間半減
東京から札幌に向かう場合、30年前は津軽海峡を青函連絡船で越える必要があった。東北新幹線や特急を乗り継ぐと、札幌到着まで約15時間かかった。
青函トンネル(88年完成)と北海道新幹線開業により、新幹線「はやぶさ」に乗れば新函館北斗駅(北海道北斗市)まで最速で4時間2分。同駅で在来線特急に乗り換えるが、札幌までの所要時間は半分近くになった。
◇難所も今は昔
現在は北陸新幹線で結ばれた東京-金沢だが、30年前は東海道新幹線で名古屋に向かい、特急に乗り換えるなどするしかなかった。所要時間は約5時間。現在は北陸新幹線で2時間半だ。
群馬・長野県境の碓氷峠は、30年前は国鉄で最も急な勾配がある難所だった。特急列車を機関車で後押しする珍しい光景で知られていたが、新幹線の開通で、碓氷峠越えの区間は廃線になった。
◇続く速度追求
東京と博多(福岡市)を結ぶ東海道・山陽新幹線は、最高時速が段階的に引き上げられた。87年当時の220キロが、山陽新幹線では300キロに。最高時速500キロのリニア中央新幹線が完成すれば、東京・品川-名古屋は40分程度に短縮される見込みだ。
◇ブルトレから豪華寝台列車
東海道・山陽・九州の3新幹線でつながった東京-鹿児島。30年前は同区間にはブルートレインの寝台特急「はやぶさ」が運行。所要時間は20時間以上だったが、食堂車を備え「動くホテル」として人気だった。
ブルトレは列島各地を結んで活躍したが2015年に北斗星(上野-札幌)を最後に姿を消した。動くホテルは「ななつ星」や「四季島(しきしま)」などの豪華寝台列車に引き継がれた。
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