図解
※記事などの内容は2019年10月24日掲載時のものです
気象庁は24日、大型台風19号が記録的な大雨をもたらした要因の解析結果を発表した。非常に強い勢力で接近している段階から、多量の水蒸気を含む風が東や南東から長時間流れ込んで雨雲が発達した上、上陸して本体の雨雲が通過したのが主因。関東甲信や福島県では湿った風が山地に当たったほか、寒気の南下により局地的な前線が発生して上昇流ができたため、平野部でも雨雲が発達した。
気象庁の黒良龍太主任予報官は「局地的な前線ができること自体は珍しくないが、台風が大型だったため、接近のかなり前から前線が形成され、千葉県以外で大雨となった」と説明した。
新潟県付近では、中国大陸の高気圧から北寄りの風が吹き、日本海から水蒸気が流入。一方、岩手県付近では、もともと東日本の南岸にあった前線が北上して停滞した影響で、台風接近時に北東から水蒸気が流れ込んだという。
19号が発達したのは、日本の南の海面水温が平年より1~2度高かったほか、上空の偏西風が平年より北に位置し、影響を受けなかったため。太平洋高気圧が関東の東海上まで張り出し、19号は伊豆半島に上陸して関東を縦断した。
北・東日本の地域気象観測システム(アメダス)のうち、継続的に観測している613地点について、19号が接近・上陸した12日の雨量を合計すると、7万3075ミリ(1地点当たり119.2ミリ)に上った。1982年以降、1日の雨量合計では最も多かった。
台風19号による大雨要因
浄水場の機能喪失と広域断水
台風19号の進路と大雨
大雨特別警報が発表された13都県
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