図解
※記事などの内容は2020年3月12日掲載時のものです
昨年1年間に警察が摘発した児童虐待事件は1972件で、被害に遭った18歳未満の子どもは1991人だったことが12日、警察庁のまとめで分かった。ともに過去最多を更新した。
生命の危険があるなどとして警察が緊急で保護した子どもも5553人(前年比982人増)と、統計がある2012年以降増加し続けている。
社会的関心の高まりや児童相談所(児相)との連携強化で通報や情報提供が増えたことを受け、警察が積極的に対応していることが要因とみられる。
ただ、昨年も父親から暴力を受けた千葉県野田市の小学4年栗原心愛さん=当時(10)=ら54人(無理心中の21人含む)が死亡するなど悲惨な事件は後を絶たず、対策の強化が急務となっている。
警察が摘発した事件の約8割は「身体的虐待」(1641件)で、「性的虐待」246件、「心理的虐待」50件、「育児放棄(ネグレクト)」35件だった。
加害者は実父が最多で913人、実母が550人、養父・継父が302人、内縁の男が187人と続いた。子どもの性別は男児が1013人、女児が978人だった。
虐待の疑いで警察が児相に通告した子どもは9万8222人(確定値)で最多を更新した。心理的虐待が7万件超で、うち約6割は目の前で親が配偶者らパートナーから暴力(DV)を受ける「面前DV」だった。
DVの通報を受けて駆け付けた警察官が、現場に子どもがいた際に虐待として通告するケースが増加しているためとみられる。児相が子どもの安全確認時に警察官の同行など援助を要請したのは494件で、前年より155件増えた。
児童虐待件数と通告・保護した人数
児童虐待の被害者と加害者の関係
SNSなど交流サイトで被害に遭った子ども
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