図解
※記事などの内容は2019年5月2日掲載時のものです
トラックの事故による死者数が2017年に298人に上り、16年より11人増えたことが、交通事故総合分析センター(東京都)や国土交通省の資料で分かった。トラック事故の死者数が前年比で増加するのは5年ぶり。
タクシーやバスを含む事業用自動車の中で、トラックの事故死は最多。国交省は20年に200人まで減らす目標を掲げているが、実現は容易ではなさそうだ。同省は「長期で見れば死者数は減っている。目標に向かって対策を進める」としている。
事業用自動車の中で、走行距離1億キロ当たりの交通事故死者数を比較したところ、17年はトラックが0.46人と最多。タクシーの0.4人や乗り合いバス0.35人を上回り、自家用車の0.38人と比べても多い状況だ。
トラックの死亡事故を分類すると、歩行者が横断中の発生が68件と最多。次いで他の車への追突41件、すれ違い時の衝突などが40件と続く。ただ、17年は16年と比べてガードレールや電柱といった工作物衝突など単独事故が1.5倍の45件に増えているのが目立つ。
死亡事故や重傷事故の特徴をトラックの大きさ別にまとめたところ、小型では一時不停止や前方不注意による事故が多かった。中型は夜間の法定速度超過が多い上、右折時に対向車のスピードを誤認したり、歩行者への注意が不足したりするケースが目立った。大型では漫然運転や、対向車のスピード誤認・歩行者への注意不足などが挙げられた。
トラックの交通事故件数は11年以降毎年減少しており、17年は1万7986件。国交省は20年に1万2500件まで減らす目標を設定している。
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