図解
※記事などの内容は2017年12月19日掲載時のものです
JR西日本の新幹線「のぞみ34号」(N700系)の台車に亀裂が見つかった問題で、同社は19日、亀裂の長さが台車の枠の底部から両側面にわたる計44センチに達していたと発表した。全周の3分の2にわたり、ほぼ破断寸前の状態だった上、車軸が台車枠を支える部分の近くで発生しており、破断していれば脱線に至った可能性があるという。
記者会見した吉江則彦副社長は「新幹線の安全性に対する信頼を裏切り、深くおわびする」と陳謝した。
JR西によると、台車枠は鋼材製で、断面が幅16センチ、高さ17センチのほぼ正方形。鋼材は厚さ8ミリで中空になっている。亀裂は枠の内側と外側の面でそれぞれ下から約14センチに及び、底部でつながってコの字形になっていた。裂け目の幅は最大で1.3センチあった。
また、モーターと車輪の歯車をつなぐ継手に油が付着し、変色しているのが確認された。
JR西は、博多総合車両所(福岡県那珂川町)で台車を調査しており、今後も鉄道総合技術研究所(東京都)や車両メーカーと連携し、原因などを詳しく調べる。
同社は、乗務員が異常に気付いた後も運転を継続したことについて「重大な課題」とし、異常がないことを確認できない場合は、ためらわずに列車を止めるよう社員教育を徹底するなど再発防止策に取り組むとした。
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