図解
※記事などの内容は2018年11月22日掲載時のものです
宮内庁は22日、仁徳天皇陵として管理する大山古墳(堺市)の堤を調査した結果、築造当初の遺構とみられる石が敷き詰められた「石敷」や、埴輪(はにわ)列が確認されたことを明らかにした。堤から石敷が見つかるのは「例が少ない」(同庁)とされ、同庁は類例の有無などを調べる方針。
調査は陵保全のための基礎資料を収集するのが目的で、地元堺市と共同で10月23日から実施。墳丘を取り囲む二つの堤のうち、内側の堤(第1堤)の3カ所を掘削し、遺物や遺構の残存状況を調べた。宮内庁が地元自治体と共に発掘調査を行うのは初めて。
同庁によると、堤の上面でこぶし大の石が敷き詰められている部分があることが判明。これまで調査された古墳では、墳丘や堤の斜面で石を貼り付けた「葺石」が確認されたことはあったが、堤の平面で石敷が発見されたことはほとんどない。大山古墳などがある百舌鳥・古市古墳群で確認されたのは初めてという。
また、地表から20~40センチ下の堤外側に直径35~36センチの円筒埴輪の列も確認した。ただ、他の古墳では埴輪列が2列あることが多いが、今回は1列しか見つからなかった。同庁はその理由について、築造当初から1列しかなかったか、水の浸食により堤の一部が崩落した可能性などを指摘した。
このほか現場では、朝顔形埴輪の破片や、傘の形をした形象埴輪の破片なども確認された。
宮内庁は22日、発掘現場を報道陣に公開し、午後には考古学者などの専門家にも現場を見せた。第1堤の報道公開は初めて。一般公開は予定していない。
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