図解
※記事などの内容は2018年10月17日掲載時のものです
ツイッターへの不適切な投稿で当事者の感情を傷つけたとして、東京高裁から懲戒申し立てを受けた岡口基一判事(52)の分限裁判で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は17日、「投稿は裁判の公正を疑わせる内容で、表現の自由として許容される限度を逸脱した」とし、岡口判事を戒告とする決定をした。インターネット交流サイト(SNS)での発信を理由に裁判官が懲戒されるのは初めて。
決定によると、岡口判事は5月、自身が担当していなかった飼い犬の所有権をめぐる民事訴訟について、ツイッターに実名で投稿。「公園に放置されていた犬を保護し育てていたら、もとの飼い主が『返してください』え?あなた?この犬を捨てたんでしょ?」などと書き込んだ。
大法廷は「裁判官が、表面的で一方的な情報や理解のみに基づき、予断を持って判断するのではないかという疑念を国民に与えた」と指摘。国民には裁判を受ける権利があるのに、「元飼い主側が提訴したことを一方的に不当だと評価した」とした。
岡口判事側は「懲戒は表現の自由の侵害だ」と訴えていたが、大法廷は「裁判官も一市民として表現の自由を有するのは当然だが、裁判官として許容される限度を逸脱した」と退けた。
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