図解

【図解・社会】老人ホーム転落死事件の主な争点(2018年3月)

老人ホーム転落死事件の主な争点

老人ホーム連続死、元職員に死刑=横浜地裁、無罪主張退ける

※記事などの内容は2018年3月22日掲載時のものです

 川崎市の老人ホームで入所者3人が相次いで転落死した事件で、殺人罪に問われた元職員今井隼人被告(25)の裁判員裁判の判決が22日、横浜地裁であった。弁護側の無罪主張に対し、渡辺英敬裁判長は3件全てで有罪と認定。「介護職員の立場を利用した冷酷な犯行」と述べ、求刑通り死刑を言い渡した。
 直接的な証拠は乏しかったが、判決は関与を疑われる人物が今井被告以外におらず、逮捕前後の自白が信用できることなどを挙げ、総合的に有罪と判断した。弁護側は即日控訴した。
 渡辺裁判長は、高齢だった被害者3人の身体能力の低さや体格を根拠に、「事故や自殺で転落した可能性はほぼない」と指摘。3件の転落が2カ月という短期間で、いずれも夜間に発生したことなどから同一犯の可能性が高いとし、「当時、いずれも夜勤担当者だった被告による犯行との推認はかなり濃厚だ」と述べた。
 自白の信用性については、公判で再生された逮捕前後の取り調べの録画映像を「記憶に基づいて述べている」と評価。黙秘に転じてからも警察官への謝意を述べているとして、「圧力を受けてうその自白をした」とする弁護側主張を退けた。
 弁護側は刑事責任能力も争ったが、判決は完全責任能力を認定。自閉スペクトラム症による影響はあったものの、「犯行を思いとどまることが著しく困難だったとは言えない」と判断した。
 事件の動機は、負担軽減のため入居者数を減らしたいという考えや、転落者の救命措置で評価されたいという自己アピールの心理と指摘した。その上で、「入居者を庇護(ひご)すべき立場を顧みず、信頼を踏みにじった」と非難。精神障害の影響などを慎重に検討しても、極刑をもって臨むほかないと結論付けた。
 判決によると、今井被告は2014年11~12月、勤務先の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で、入所者の丑沢民雄さん=当時(87)=、仲川智恵子さん=同(86)=を4階から、浅見布子さん=同(96)=を6階から転落させ殺害した。 

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