図解
※記事などの内容は2017年7月22日掲載時のものです
東京電力は22日、福島第1原発3号機の原子炉格納容器の底部で、溶け落ちた核燃料(デブリ)とみられる物体を発見したと発表した。圧力容器から落ちて固まったような溶融物や炉内の構造物などが散在し、堆積していた。水中ロボットを使った3回目の調査で撮影した。
3号機は圧力容器にあった核燃料の大半が溶け落ちたと推定されており、前日の調査で圧力容器下部でデブリとみられる物体が初めて見つかった。東電は水中ロボによる調査を終了。撮影した画像を分析し、物体がデブリかどうか確認を進める。
格納容器内には原子炉を冷却した水がたまっている。水深は6.4メートルあり、水中ロボは圧力容器を支える土台の内側に潜った。
東電によると、床面から1~2メートルの高さで溶融物や構造物などがあり、溶けた核燃料が混ざっている可能性が高い。圧力容器の真下には、高さ1メートル程度の岩状の物体があった。脱落した作業用足場の一部も確認された。
東電の木元崇宏原子力・立地本部長代理は記者会見で「イメージでしか分からなかった物を、画像で捉えた意義は非常に大きい」と述べた。
政府と東電は今夏、燃料の取り出し方針を決める予定。3号機の調査で初めてデブリの可能性が高い物体を捉えることができたが、同時に炉内の損傷の大きさも明らかになり、燃料取り出しが難航するのは確実だ。
水中ロボは19日に内部に進入。21日に圧力容器の下部などを撮影した。22日はさらに深く潜航し、堆積した構造物の上に何度か降りた。
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