図解
※記事などの内容は2019年6月25日掲載時のものです
特殊詐欺で固定電話が悪用されるケースが増えていることを受け、政府は25日、使われた番号について利用停止の措置を取るなどの対策を決めた。大手通信事業者が警察からの要請に基づき、番号を利用できなくするといった新たなルールを設ける。早ければ年内にも運用が始まる見通しだ。
固定電話サービスについて、電気通信事業法は、自然災害などに限って停止できると定めており、犯罪利用を理由とした停止は同法に抵触する恐れがあった。こうした状況を受け、総務省と警察庁、大手通信事業者が実効性のある適法な手続きを協議してきた。
関係者によると、参加事業者はNTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズとKDDI、ソフトバンクの大手5社。繰り返し特殊詐欺に使用された電話番号に限定して警察側から要請し、事業者が利用停止の手続きを取るという。固定電話サービスの9割は5社が占めており、軌道に乗れば、相当数の詐欺電話を遮断できる可能性がある。
特殊詐欺では、発信元が特定されにくい「IP転送電話」といった固定電話サービスが悪用されている。大手通信事業者から電話回線を買い受けた再販業者が別の業者を介して犯人側に提供しているとみられ、警察庁によると、昨年全国で発生した特殊詐欺事件の約8割で使用されていた。新ルールでは、詐欺犯との関係が疑われる再販業者には新しく番号が提供されないようにする規定も盛り込まれる方向だ。
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