図解
※記事などの内容は2020年6月2日掲載時のものです
75歳以上で一定の違反歴のある運転者に実技試験の「運転技能検査」を義務付ける改正道交法が2日、衆院本会議で可決、成立した。同法ではあおり運転も新たに規定し、厳罰化する。あおり運転対策は今月末にも施行され、高齢運転者の事故対策は2022年6月までに始まる。
実技試験は運転免許証の更新時に行われ、対象となる「一定の違反歴」は今後政令で定める。対象を限定した理由について、警察庁は「免許を失う可能性のある技能検査は個人の権利に対する大きな処分で、事故を起こしやすい人に限った」と説明している。
実技試験は自動車教習所などで行い、実際にコースを走行して運転の技能を判定する。免許証の更新期間中であれば何回でも受けられるが、基準に達しないと免許証を更新しない。
判定基準は今後具体化されるが、▽信号無視▽交差点で右左折後に反対車線に進入する▽脱輪や一時停止違反を繰り返す―など、安全運転が期待できない水準の運転者は不合格になるとみられる。自動ブレーキなどを搭載した安全運転サポート車(サポカー)限定の免許も新設する。
あおり運転は、他の車両の通行を妨害する目的で、急ブレーキや車間距離を詰めるなど10項目に該当する違反行為と規定。罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金とした。
高速道路上で相手の車を停止させるほか、一般道でも物損事故を起こさせるなど著しい危険を生じさせた場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と重くした。行政処分も厳しくし、免許取り消しの対象に追加した。
改正法では、運転手不足を背景とした業界からの要望を受け、タクシーやバスを運転できる二種免許について、特別な教習を修了した人は「19歳以上、普通免許1年以上」でも受験できるよう要件を緩和した。
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