図解
※記事などの内容は2019年2月12日掲載時のものです
認知症高齢者らの約15%が、自動車運転で事故を起こした経験があると配偶者らが回答したことが12日までに、公益社団法人「認知症の人と家族の会」(京都市)の調査で分かった。事故未遂も含めると、3割近くが危険な目に遭っていた。
同会は認知症患者の家族らで構成。昨年1~2月、配偶者や子供、介護職員ら全国の940人に自動車運転事故の有無などについてアンケート調査を行い、549人から回答を得た。
事故経験は83人(15.1%)が「ある」と回答。物損(34人)や追突(29人)、転落・脱輪(7人)などが目立った。逆走(2人)、死亡事故(1人)もあった。
「危うかったことがある」と答えたのは63人(11.5%)で、全体の26.6%が危険な目に遭っていた。事故未遂の内訳では、信号(踏切)無視が11人いたほか、道に迷う(10人)や逆走(7人)などが挙げられた。
運転免許は、41.2%が「(認知症の)診断時持っていたが今は持っていない」と回答したが、20.4%が「現在も持っている」と答えた。免許を返納した人のうち、自主的だった割合は22.5%にとどまった。
返納後に困ったことを複数回答で聞くと、「運転させないことで怒りだしたり、落ち着きがなくなったりした」(42人)や「ショックを受けて、家に閉じこもりがちになった」(41人)、「返納したことを忘れ、運転しようとしてしまう」(40人)などの声が寄せられた。
同会の阿部佳世事務局長は「地方では自動車が不可欠な場合も多いが、認知症の人たちが免許を返納しても住み慣れた土地で暮らし続けられることが大切。国は代替移動手段を、自治体任せにせずに率先して確保するべきだ」と訴えている。
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