図解
※記事などの内容は2018年9月28日掲載時のものです
警察庁が過去5年間の日没前後1時間(薄暮時間帯)に起きた交通死亡事故について調べたところ、10~12月に急増していたことが明らかになった。専門家は「年末にかけて日没時間が早まり、交通量が増える夕方と重なるためではないか」と指摘している。
2013~17年の死亡事故件数を時間帯ごとに見ると、薄暮に重なる午後5~7時台(平均約1260件)が、その他の時間帯(同約760件)より大幅に多い。薄暮時間帯の月別件数では、10月301件、11月323件、12月346件と、1~9月の平均約178件を大きく上回る。
また、薄暮時間帯の死亡事故では、自動車と歩行者が当事者となるケースが53%と最も多い。1時間当たりの発生件数は、日の出から日没1時間前まで(昼間)が167.7件であるのに対し、薄暮時間帯は約4倍の681.5件に上る。
一方、薄暮時間帯に車との事故で死傷した65歳以上の歩行者の反射材着用率が、2.7%にとどまることも判明した。
北里大の川守田拓志准教授(視覚機能療法学)は「薄暮時は視力や遠近感が低下するため、運転者は歩行者を見落としやすく、歩行者は車との距離感を間違えやすくなる」と分析。「歩行者は目立つ服装や反射材の着用を心掛け、運転者は早めにヘッドライトを点灯するなどして、お互い気付きやすくすることが重要だ」と話した。
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