図解
※記事などの内容は2019年6月3日掲載時のものです
将棋の羽生善治九段(48)が歴代単独1位の1434勝を達成した。69歳で1433勝に達した故大山康晴十五世名人より21歳若い新記録。当時より棋戦数が多く単純比較はできないが、負け数は大山名人より190局も少なく、勝率は7割0分8厘と歴代勝数10位以内の棋士の中で唯一の7割台。いかにハイペースで勝ちを積み上げてきたかが分かる。
5月23日に1433勝に到達した際、羽生九段は「自分なりに考え、戦術面の変化を取り入れることを常に心掛けている」と説明した。これまでも「盤上のテクノロジーの世界は日進月歩。常に最先端を探求する気持ちでいる」(2017年の永世7冠達成時)、「最先端を取り入れ、前に進んでいくことを心掛けてきた」(18年の国民栄誉賞受賞時)と語り、絶えず戦術を見直し、時代の変化に対応する飽くなき研究心が言葉の端々に表れていた。
若手の活躍も後押しする。最年少棋士の藤井聡太七段(16)、5月17日に初の名人位を獲得した豊島将之3冠(29)らを念頭に、「刺激となっている。競争の厳しさを実感する」と明かす。
1989年のタイトル初獲得に始まり、平成時代を「棋界最強棋士」として走り続けた羽生九段。令和の時代にも進化を続け、どこまで勝数を伸ばせるか期待が膨らむ。
新着
会員限定