図解
※記事などの内容は2020年4月5日掲載時のものです
政府は、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、インターネットを使った遠隔教育の導入を加速させる方針だ。3日の未来投資会議では、家庭学習の環境整備のため安倍晋三首相がノート型パソコン(PC)など情報端末を2023年度までに生徒1人に1台配備する計画の前倒しを表明。ただ、昨年の全国自治体調査で7割強は「実施する意向はない」と回答し、従来慎重だった学校側の体制整備が急務となる。
東京都教育委員会が都立学校の臨時休校措置を5月6日まで延長するなど、感染急増地域で休校長期化への懸念が高まっている。学力低下や教育の機会均等が脅かされる事態に保護者や学校関係者が頭を悩ます中、テレビ会議システムなどを活用したオンライン授業に注目が集まっているが、普及は限定的だ。
未来投資会議では、全国の自治体を対象に小中高校での遠隔教育の実施状況に関する調査結果が示された。回答があった1815自治体のうち、「遠隔教育を実施していない」との答えが78%を占め、「実施する意向はない」との回答も73%に達した。昨年3月時点の結果だが、準備不足は明らかだ。
遠隔教育の普及を阻んでいる原因は、ノート型PC・タブレット端末の配備や、学校の高速通信環境整備の遅れに加え、教室での対面授業を前提とした指導要領など制度上の問題、学校・教員のノウハウ不足など多岐にわたる。
高速通信環境をめぐっては、NTTドコモなど携帯電話大手3社が期間を限定し、25歳以下の学生に対しスマートフォンなどの通信料負担を軽減。政府は家庭学習に必要なPC、スマホを高速通信に接続できるWi―Fi(ワイファイ)ルーターの貸し出しなどを検討している。制度面でも規制改革推進会議に作業部会を設け、授業時間数の柔軟化などを議論していく方向だ。
政府は、休校長期化をにらみ「スピード感が重要だ」(経済官庁幹部)と強調。一方で「いくら端末を配備しても、学校側の受け入れ体制が整っていなければ意味はない」(経済団体幹部)との声も出ている。
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