図解
※記事などの内容は2017年4月26日掲載時のものです
母親の胎内環境を再現した装置を開発し、ヒツジの未熟児を最大4週間成長させることに成功したと、米フィラデルフィア小児病院の研究チームが25日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。将来は人で早産の新生児に使えるよう、小型化や安全性の検証に取り組む方針。
人の場合、妊娠37~41週での出産が正常、22~36週が早産とされる。28週ごろまでに生まれた新生児は肺の呼吸機能などに障害が生じやすく、現在は新生児集中治療室(NICU)で手当てを受ける。
新装置は障害のリスクを下げるのが目的。丈夫な半透明のポリエチレンフィルム製袋の中に人工の羊水を満たし、ポンプで継続的に交換する。ヒツジの未熟児に人工のへその緒を付けて中に入れ、外部の酸素供給装置に接続。へその緒は本物と同様に動脈2本と静脈1本で構成され、未熟児の心臓機能だけで血液が循環するよう工夫した。
実験ではヒツジの妊娠15~17週の未熟児8匹を装置に20~28日間入れて成長させ、肺や脳などの状態が良好であることを確認した。
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